時の流れの羅針盤 日本時事評論
「日本時事評論」編集便り No.449      2024/04/19 
 最近、SNSで「子持ち様」という言葉をよく見ます。職場で子育て中の社員が時短勤務や優先して休みを取るために、割を食ったと感じた社員が発した皮肉だそうです。年金問題を考えればお互い様だと分かっていても、増える負担に悲鳴を上げる人の気持ちも理解できます。育休制度が義務化されれば、その負担を引き受ける社員への配慮が必要になってきます。自己の業務に加え、育休社員の仕事を肩代わりする社員に手当を出す企業も出てきました。職場では、子育てをする人とそうでない人の働き方の工夫により、お互い様と気持ち良く働ける職場としたいものです。それでは紙面案内です。(田村)

1面 天録時評 「抑止力向上に防衛産業の育成強化が急務
         合併促進や先端技術導入のための枠組みを」

 専守防衛を課せられ、ロシアに侵略されたに等しいウクライナは、兵員や弾薬の不足などもあって苦境に立たされています。このウクライナの現状から、わが国の安全保障や国防政策の課題が見えてきます。その一つが防衛装備品の生産能力の向上や、開発・技術力の強化です。近年、防衛事業から撤退する大企業が増え、下請け企業の廃業も続いています。抑止力向上には先端技術を持つ企業の新規加入の促進とともに、政府が主導し、各企業の防衛事業部門を合併して再編成するなどして、抜本的な構造改革の実現が急務です。

2面 天録時評 「紅麹サプリ問題 安全性軽視の機能性表示食品
         氾濫する科学的根拠のない情報」

 小林製薬の機能性表示食品「紅麹サプリ」で深刻な健康被害が発生しました。成分を濃縮して作られた錠剤やカプセルは、簡単に大量に摂取できるだけに、健康への危険性が大きいにもかかわらず、機能性表示食品として販売されていることは大きな問題です。国民に効果や効能への誤解を与える機能性表示食品制度そのものの見直しが必要です。

3面 天録時評 「『ハラスメント』濫用を防止せよ
         朝日新聞は無責任な記事の反省を」

 最近「大谷ハラスメント」や「マルハラスメント(マルハラ)」「カスタマーハラスメント(カスハラ)」など、ハラスメント(嫌がらせ)を使った新しい造語が次々と誕生しています。この風潮は、他者を傷つける言動を抑止する面では望ましいのですが、ハラスメントが強調され過ぎれば助言や忠告などもできないようになり、人間関係が対立的で親しみのない窮屈な世の中を作ってしまいます。メディアも何でもハラスメントにすることでの日本語の破壊や、話題作りの無責任報道を止めるべきです。

4・5面 インタビュー「2030年までに少子化傾向を
            押しとどめられるかがカギ」
            元少子化問題担当大臣
            参議院議員 衛藤晟一氏

 「少子化はわが国が直面する最大の危機である」――このままではわが国が世界に誇ってきた安心、安全の社会保障制度を維持できないばかりか、国際的な影響力も低下すると言われます。岸田首相が「異次元の少子化対策に挑戦する」と表明した由縁であり、ようやく国民全体に少子化への危機感が高まってきました。そこで、少子化問題担当大臣や自民党少子化対策調査会長などを歴任し、少子化対策に熱心に取り組んでいる衛藤晟一参議院議員に、少子化問題の実態と課題を聞きました。

2面 巷  露 「過ぎたるは改悪に」
6面 投  稿 「賭博は怖いよ」
         弁護士・産業医 籔本恭明
7面 天録時評 「故障が多い中国製タブレット
        『安くて高品質』の謳い文句に騙されるな」
         役立つ最新用語65
        「治療から看取りまで担う
        『ケアミックス病院』」
8面 日本の肖像103 平賀源内(中)
        「積極的な経済拡大策の田沼時代に
         停滞する社会に喝を入れた天才児」
         歴史家 鈴木旭


〈本文の全文(PDF)は4月26日に掲載予定です。〉
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