時の流れの羅針盤 日本時事評論
「日本時事評論」編集便り No.463      2024/11/15 
 青森県むつ市にある使用済み燃料を一時保管する中間貯蔵施設が11月6日に操業を開始しました。資源が乏しく、エネルギーの安定供給のために原子力発電が必要不可欠なわが国にとって朗報です。しかし、あくまでも中間貯蔵であり、原子力政策を進めるためには最終処分場も早急に整備する必要があります。最終処分場選定について、石破首相は幹事長時代に「相応しい地域はここだと示すのが政府の責任」と述べています。ぜひ実行してほしいものです。それでは紙面案内です。(田村)

1・2面 天録時評「『封印』された法務大臣の指揮権発動を
          冤罪に繋がる『人質司法』を容認するな」

 冤罪防止のためには、巨大な権力を持つ検察が不法、違法な権力行使に陥らないようにしなければなりません。しかし、法務省に属し、法務大臣のもとにある組織であるにもかかわらず、法務大臣の指揮、監督権が封印されたような観を呈しています。造船疑獄事件以来、「検察の正義」が神聖化されていますが、検察権力も腐敗するのは様々な冤罪事件が示しています。「人質司法」の解消などの適正運営を行うように、法務大臣は検察に対し適正な指揮権を行使すべきです。

3面 天録時評 「『原子力の最大限活用』は日本の基本政策
         具体的計画を示し政治家が先頭に立て」

 この度の衆議院議員選挙で、自民党と公明党が大敗し、与党で過半数が取れなかったことで、政権運営が不安定化することが予想されます。国の根幹を成すエネルギー政策が変更になることはないでしょうが、「原子力の最大限利用」が遅滞したのでは国家的損失です。新増設を含めて具体的な計画を示し、政府はその実現に向けた法整備に取り組むべきです。

4・5面 レポート
       東京電力・福島第一原子力発電所を視察して(上)
        「廃炉に向けた歩みが福島復興の柱の一つ
         様々な課題に同時対応の難しさも」

 脱炭素の国際的な潮流や、将来的に急激な増大が見込まれる国内の電力需要に対応するためにも、原子力発電の最大限の活用を進めることが必須の情勢にありますが、それには安全・安心の確保が大前提であることは言うまでもありません。そこで、原子力政策を進める上で克服しなければならないと同時に、「福島復興」の柱の一つでもある東京電力・福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取り組みを視察しました。

6面 地域便り 福島県楢葉町・広野町
        「福島復興の象徴『Jヴィレッジ』
         企業研修やイベント開催などで地域に貢献」

 福島第一原子力発電所の事故後、サッカー等のトレーニング施設を持つ「Jヴィレッジ」は事故収束作業の拠点となり、一時は天然芝のピッチを失いました。しかし、地元福島県の人々の努力などで復興を成し遂げ、スポーツだけでなく企業研修やコンサートなどのイベント開催でも地域に貢献しています。Jヴィレッジの取り組みと復興状況について紹介し、風評被害を抑制するためにも効果的な使用を期待したいものです。

2面 巷  露 「殺生を禁じた五代将軍綱吉」
7面 地域便り  岐阜県揖斐川町
        「大切な歴史遺産を後世に継承
         第47回『さざれ石愛護の日』を開催」
8面 日本の肖像117 山縣有朋(上)
        「『大田絵堂戦役』以来、最前線で戦い続けた
         明治維新の偉業達成の中心人物」
         歴史家 鈴木旭

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