時の流れの羅針盤 日本時事評論
「日本時事評論」編集便り No.455      2024/07/19 
 先日、わが国では初めて、警察庁のサイバー特別捜査部と警視庁などの合同捜査本部によって、不正送金目的でネットバンキングのサーバーに他人のパスワードなどを使い、不正アクセスしたグループの首謀者が逮捕されました。しかし、通信アプリの暗号化や匿名性、暗号資産の追跡困難性を利用した組織的犯罪の摘発は困難を極めており、多くの犯罪が見過ごされているのが現状です。ネット社会は無法地帯であり、犯罪防止のための法整備も急務ですが、通信アプリ等を利用する国民も、こうした犯罪と隣り合わせであることを常に意識しておくことが肝心です。それでは紙面案内です。(田村)

1面 天録時評 「高レベル放射性廃棄物
        最終処分場の文献調査受け入れ 佐賀県・玄海町
        『トイレなきマンション』
         という悪評払拭に全力を」

 将来に向けてエネルギーの安定供給を確保していくためには「原子力発電の最大限の活用」が至上命令ですが、そこに横たわる最大の課題が高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定です。この度、佐賀県玄海町が全国で3番目となる最終処分地の文献調査受け入れに手を挙げました。これを好機に「トイレなきマンション」という原子力発電への悪評を払拭し、原子力政策を一層前に進めていくよう政府は全力を挙げるべきです。

2面 天録時評 「中学校部活の全国大会は廃止せよ
         勝利至上主義に陥りやすい全国大会」

 日本中学校体育連盟が、全国中学校体育大会(全中大会)で行われている9つの競技を令和9年度から中止することを発表しました。全中大会は、部活動が勝利至上主義に陥りやすくなる要因として様々な課題が指摘されていただけに、今回の縮小は一歩前進です。しかし、11の競技は存続されます。心身の健全育成のための部活動の目的を逸脱し、過熱化を招く全中大会は全面的に廃止すべきです。

3面 インタビュー「対北朝鮮で日米韓がかつてない連携
         元拉致問題担当大臣 山谷えり子参議院議員」

 拉致問題は最大の人権問題でありながら、なかなか進展が見えません。そこで、元拉致担当大臣で、4月29日から5月4日までの日程で超党派の拉致議連会長代行として拉致被害者の家族会と救う会のメンバーと共に訪米した山谷えり子参議院議員に、最新の情勢について語っていただきました。

4面 天録時評 「鹿児島県警の闇 真相解明に無力な公安委員会
         警察権力の不正を防止する体制を」

 警察幹部や組織ぐるみの不正などを摘発し、再発防止するのは都道府県公安委員会の責任です。しかし、鹿児島県警のもみ消し疑惑問題で、鹿児島県公安委員会は無力さを露呈しました。監視体制が脆弱であれば権力は腐敗します。公安委員会が都道府県警察を管理する責任を果たし、警察行政の公正、公平な運営を確保するために、抜本的な体制整備を急ぐべきです。

2面 巷  露 「熱暴走や発火する電池」
5面 天録時評 「わが国の報道の在り方を考える④
         誤報や歪曲が横行する政局報道
         総裁選『高市潰し』に狂奔する朝日新聞」
6面 投  稿 「里子の医療費は全額公費の立替払い制に
         里親の負担を軽減し円滑な受診のため」
         岐阜県 國枝真由美(養育里親)
7面 天録時評 「自由社の歴史教科書から学ぶ④
         国民も協力して戦った『日露戦争』」
         役立つ最新用語71
       「森林機能を維持するため『森林環境税』を創設」
8面 日本の肖像109 近代日本の水先案内人
         中浜(ジョン)万次郎(追補)
        「ペリー来航 米国事情を知る唯一の日本人
         太平洋横断時は事実上の船長として活躍」
         歴史家 鈴木旭

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