時の流れの羅針盤 日本時事評論
「日本時事評論」編集便り No.471      2025/03/21 
 令和7年度の予算案が衆議院を通過し、高校授業料無償化政策が4月から始まります。この政策により、特に都市部では有名私立高校への入学希望者が増え、公立高校は定員割れが加速化すると懸念されています。福岡県でも定員ギリギリの公立高校が多数存在し、もし3年連続で定員割れになった学校は再編対象となるという「大阪ルール」が適用されれば、多くの公立高校で統廃合が進み、近くに通う高校がないという生徒が多数発生すると指摘されています。公教育を崩壊しかねない所得制限なしの高校授業料無償化は見直すべきです。それでは紙面案内です。(田村)

1面 天録時評 「柏崎刈羽 特重施設とは切り離して再稼働を
         再稼働の遅れは原子力規制委員会の人材不足」

 東京電力・柏崎刈羽原子力発電所7号機の再稼働の時期が実質的に3、4年遅れることになりました。原子炉の安全性とは直接関係のない特定重大事故等対処施設の完成が遅れるためです。エネルギー安全保障や国民生活を守る観点から、政府は特重施設の建設と再稼働を切り離すことを決定すべきです。また、専門人材の不足から審査が遅れている原子力規制委員会に電力会社からの出向も容認すべきです。

2面 天録時評 「中学校公民教科書
         家族は『協力』『責任感』『一体感』を育む場
         家族を大切にする自由社の教科書記述」

 個人主義的価値観が蔓延する昨今、中学校公民教科書の家族に関する記述は、先祖を敬い、家族の絆を大切にし、道徳心や倫理意識、文化を子孫に継承するといった家族が果たす役割の記述が少なくなっています。家族の大切さを認識するためには、自由社のように先祖―自分―子孫という時間的な縦のつながりを明記した教科書を採択し、子供たちに学ばせなければなりません。

3面 インタビュー「陛下をお支えする男系男子皇族の存在が重要
          参議院議員内閣委員長 和田政宗氏」

 衆参両院の正副議長と各党・各派の代表者らによる、安定的な皇位継承に関する与野党協議は、今国会中に一定の結論を出すことで一致しているといいます。中でも、皇族数の確保策は喫緊の課題です。そこで、皇室関係に詳しい和田政宗参議院議員に安定的な皇位継承に取り組んでいくことの意義について聞きました。

6面 天録時評 「弊害が大きい所得制限なしの高校無償化
         公教育の質の低下や中学受験の激化を招く」

 高校授業料の無償化が予算案通過のための政争の具とされました。教育を受ける側の負担の軽減化のみに焦点が当たっていますが、その効果も大きくありません。無償化の財源は増税によって国民が負担しなければなりません。公金投入の緊急性があるのは、AI(人工知能)の活用が進む中で、教育の質の転換や向上であり、それを担う教育する側への投資が不可欠です。

2面 巷  露 「デフレ脱却の決定打」
4・5面レポート「第20回『竹島の日』記念式典
         2月22日開催
         進展が見られない現状に憤りの声も」
7面 天録時評 「何でも相談できる親子関係の構築を
         オンラインゲームに潜む犯罪の危険」
         役立つ最新用語83
        「闇バイト強盗の抑止につながる
        『仮装身分捜査』」
8面 日本の肖像125
        明治の世を新開拓の文学で導く 福沢諭吉(上)
        「漢学から蘭学、蘭学から英語中心へ
         新しい学問を手探りで切り拓く」
         歴史家 鈴木旭

本文の全文(PDF)は3月28日に掲載予定です。〉
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